エンジン始動不能の原因は複数
ディラーさんも修理を諦めたロータスヨーロッパs225のエンジン始動不能
クランク角センサーが最初の原因で、イモビライザーのデーターが失われたのが2番目の原因と判明しています
前編を読む(リンク張る予定の行w)
クランク角センサーを交換し、イモビを初期化、トランスボンダーキーを登録し直して、セルを回すと点火信号が入っている事とインジェクターの作動音がすることが確認できました。
普通ならこれでエンジンがかかるはずなのだが、どれだけセルを回してもエンジンに火が入らない‼
何を誤診したんだろう?
自動車修理には五感も大切
落ち着いて、もう一度確認していた時、ふと、あるべき音が聞こえないことに気が付いた
それは、キーをオンにした時に5秒間ぐらい聞こえるべき、フューエルポンプのブーンっていう作動音
まさかと思って、フューエルラインのナットを緩め、もう一度セルを回してみたが、ガソリンが出てくる様子が全くない。
早速ポンプ回路の点検
この車には、燃料ポンプの上流にイナーシャスイッチ(事故等で、ドアロックが自動で解除されるような衝撃やエアバックが作動するような衝撃が有ったとき、車両火災防止のため、燃料ポンプへの電流を遮断するスイッチ)が組み込まれているので、そのスイッチをバイパスしてポンプに電流を入れてみましたがポンプは作動しない。
どうやらポンプ単体の故障の様子
ポンプがダメであることを販売店さんに報告すると「ポンプは一年前に交換してある」という返事
ここで、修理の鉄則の2つ目。
他の整備士さんの「そこは問題ない」「そこはやってある」という言葉は決して信じてはいけない事
目の前にある現象を信じましょう。
燃料タンクを降ろして、燃料ポンプを取り外して単体点検すると、錆がついてて、ポンプの回路は導通していない事が確認できました。
長期間、燃料が空に近い状態だったのと、その状態で何度も作動させられた結果のポンプの焼き付きだと思われます。この車は、ガソリンが空になるような状態での走行や、空の時、何回も繰り返してのエンジン始動は禁物のようです。
今回のエンジン始動不能の原因は3つの複合でした
・クランク角センサー
・イモビキーの未登録状態
・燃料ポンプ内部コイル断線
エンジン回転信号入らない結果、点火火花も飛ばないしインジェクターも作動しない、紛らわしいことにイモビも異常を示していておまけにキーの登録もできないとなって、しかも然圧もかからないし、多分まともな日本語の整備書も無かったことでしょうw
この状態だとディラー整備士さんもわけわからなくなって「原因不明」って言いたくなるよね
燃料ポンプを、チューニングやレストアによく使う製品を流用して交換(もちろんオリジナルに近い燃料排出量に合わせてあります)しかも最大700馬力まで対応のポンプつけましたwこれで安心
燃料タンクを組付けていよいよエンジン始動
セル一発で、何事もなかったかのように1年以上停まったままのエンジンが始動しました
なのに、またまた問題が、、、どこまで壊れてれば気が済むんだろうこの車
最後に残った故障
エンジンが無事始動したロータスヨーロッパs
しかし、やたらと単発でふけ上りが悪い、そのうちエンジンチェックランプが点滅し始めるし、さらに言えばLLCがどこからか漏れているw
「やれやれだぜ」って思いながら診断機をあて直すと、クランク角センサーとイモビの故障コードは消えて替わりに”2番シリンダの失火”との故障コードが、、、
工具屋さんで買った、安ーい点火観察装置で診断すると、確かに2番だけ火花が飛んでいない
ロータスヨーロッパ修理の結果
とりあえずエンジン始動不能は解決し、あとは一体型のイグニッションコイルと、ひび割れているラジエーターリザーブタンク、お試し用に使った某国製の物ではない、純正BOSCH製クランク角センサーの部品待ち
今回の修理は「原因不明の故障」にありがちな、複数部品の故障と、キーのデータが消えるという人為的な原因が複数積み重なったものでした。
何はともあれ、解体屋行きかガレージのオブジェになるかだった車をまた一台、再び生き返らせる事が出来てよかったです。
修理完了すると、かなり調子のよいロータスヨーロッパs225(普通のsのECUをロータス純正のチューニングコンピューターにしてある特別仕様車、日本でまともに動いているのって、数十台あるのかな?)になると思います。
もし手に入れたい人が居れば、販売店さんが何処にあるのかお伝えしますので、買いに行って下さいね。
おすすめの一台になりますよ(だって、こんなに直してあるから今後の不安材料少ないし、壊れてもこの車に関しては、ここに直せる工場あるもんねw)
かかった工賃?
「物凄い希少な車なので、エンジンを復活してくれればいくらでも言い値で支払ってもよい」そうです‼
ありがたい話です
自分の工場は超零細なので、車はただの移動手段だから修理は安ければ良いとか、ほぼ整備しない激安車検とか、そういう修理はお引き受けできないので、そういう修理は、是非ディラーさんとかスタンド系とか某車検屋さんとか大手部品屋さんに持っていただければよいのですが
どうしても大切にしたいとか、ディラーさんに持っていったら修理不能と言われたとか、代替え勧められたとか、内燃機関に乗る最後の愛車として復活させたいお車だとかの場合、相談に乗れるかもしれませんので相談してみて下さいね。
工賃はそれなりにかかってしまいますが、「どうしても」の場合は何とかします。