シボレータホというアメ車のブレーキパイプに穴が開いてしまった、何とかならないか?
というご依頼
ブレーキパイプ錆びからの漏れ
古くなったアメ車に発生しがちな問題
ブレーキパイプの錆からのブレーキオイル漏れ
実は最近、アメ車だけではなく、国産車でもよく起こっています
車検しているとたまに、ブレーキパイプが酷く錆びている車両を見かけます
実際、自分も、陸運の検査ラインでブレーキを思いっきり踏んだら、パイプが破損して大変なことになった経験が有ります。ホンダのフィットだったかな?
日本車の材質が悪くなってきているんでしょうか?
ブレーキパイプは錆びていても漏れてなければ車検は通るのですが、車検に通ればよいという問題ではないですね
走行中にブレーキパイプが破断すればとても危険です、そして、限界まで腐食が進んでいれば起こり得る事なのです。しかも最大限にブレーキを踏んで圧力が上がった緊急の場合にこそ破断する確率が高いのです。
あなたの車は大丈夫ですか?「パイプの錆び具合からくる漏れの危険性まで点検して報告」してくれる工場に車検出されてますか?
ブレーキパイプ作成
アメ車のブレーキパイプは部品では出ていません。注文して届いたとしても加工されていないパイプが届くだけで、フレアを創って曲げ加工をしないと使えないんです。
今回は社外品の合金製の物で1/4と3/8っていう太さのブレーキ専用のパイプを取り寄せました
実は、ブレーキオイルって鉄をを腐食させる性質を持っているんです。
なので今回は、鉄製ではなく、ニッケル合金製の耐腐食性のブレーキ専用のパイプを取り寄せて使いました
鉄製パイプより数段値段が高かったですが、安心して使えます。
ブレーキパイプのつなぎ目ってダブルフレアっていう形状になっています
届いたパイプはただの筒場なので、専用工具を使って、ダブルフレアを創ります。
今回、初めてやった作業なので、何回も練習しました。綺麗な円錐状にして、あたり面も美しい状態に仕上げないと、組付けた時に接合部からオイル漏れを起こすので、手の抜けないどちらかといえば職人技が必要な作業となります。
今回、工具をスナップオンさんから取り寄せて、本格的な工具で制作したのですが、このパイプの材質では、3/8サイズまでなら問題なく使えましたが、残念ながら1/4サイズのパイプでは工具の強度が足りず一台分の加工が終わった時点で工具のほうが壊れてしまいました。
(某ネットショップに売っていたやつは、加工すらできませんでした)
日本車のパイプのサイズなら問題ないですが、アメ車のサイズのパイプ加工には、もっと強度の高い工具が必要なようです。
取り付けてエア抜きをしたのちブレーキに圧力をかけて検査します
この車両、ABSユニットにも問題があるようでしたが修理はしなくてよいとのことでした
せっかくなら直しておけばよいと思うのですがご都合もあるようでしたので
「ブレーキオイルの漏れを直してほしい」という依頼は成し遂げたので、完成としました。
ブレーキが効かないのでは乗ることもできず、部品もなく、修理してくれる工場もなく、ユーザーさんも困っていたようですが、この車も無事走れるように出来て良かったです
国産車だから大丈夫、ではない
日本の車だから大丈夫というのは、今では通用しないようです
実際、ぎりぎりまで腐食している車両のパイプを交換することが有ります
そもそもブレーキパイプって、床に一番近く最初に取り付けられているので、長い一本物のブレーキパイプでは、その交換作業は手前に付いている、あらゆるものを外してから行う作業となり(ガソリンタンクとか)大変時間がかかります
今回の作業で習得した技術で、パイプを制作して必要な部分だけ交換するという技を身に着けれてよかった
何故、こんなに交換する必要があるほどパイプが錆びる車が増えたのか不思議ですが、融雪剤の関係ではないかなぁ?と予想しています
雪国の皆さん、一度ブレーキパイプの点検、されてみて下さいね
今回取り寄せた耐腐食性のパイプ、まだ少しなら残っています。
ブレーキパイプが入手困難な車で、どうしても必要な人は早めにご相談して下されば作れるかもしれません。
お大事に
お大事に