オートマミッション故障で困らないために

トランスミッション性能低下で走行不能になるボルボ、発進バック時ジャダーを起こすワーゲンアウディのDSG、ベルト異常摩耗を発生し振動を起こす日産トルコンCVT、変速ショック大となり、やがて走行不能となるワーゲンゴルフ、BMW MINI、スバル5EAT

毎日の移動手段として、そして大切な家族を乗せて色々な場所へドライブするために購入された大切な愛車達
ミッション載せ替えで数十万円の見積もりとなり、代替えとなってしまった事が数多く有ったと思います
ミッションさえ壊れなければ、もっと長くユーザーに大切にされ、いろいろな場所に一緒にドライブに行っていたはずなのに


そして、今現在でも、ミッショントラブルは起き続けています

なぜ「ミッションは修理不可能です、交換になります」と言われるのでしょう?メーカーや販売店さんはそれだけの技術力とその車に対する情報を持っているはずなのに

交換しか方法がないと言われたそのミッション、本当に修理不可能なのでしょうか?

高額修理になりがちなオートマミッションの故障

いろいろな車種のオートマやCVT、デュアルクラッチミッションを分解修理してきました
一部の車種では、いきなり走行不能になる事例も有りました

修理事例の中に、電子制御系の故障を見逃し続けたためにクラッチやギヤが破損して高額修理になってしまった車両をよく見かけました。

ネットで購入した車が、実はミッションに大きな問題を抱えていると判明したこともありました。

オートマ、デュアルクラッチミッション、CVTはメーカーの設計上の問題は別として、長持ちさせるコツと壊れた時の対処方法が有ります。

まずは壊れる原因を知っていきましょう。

ミッション故障の原因

ミッションの故障の原因は大きく分けると3つ有ると思います

油圧の低下

オートマミッションのライン内の油圧が下がると、クラッチ板を押す力が弱くなり、滑り量がおおくなります
結果としてオートマオイル内にクラッチ板のフェーシングの粉が混入し、その汚れ(コンタミ)がフィルターを詰まらせ、更に油圧が低下し更にクラッチが摩耗するという悪循環が始まります。
そうなったミッションはほどなく走行不能となります。
ホンダのエリシオンとスバルのレガシーでそのようなミッションの修理経験が有りました

ミッション油圧低下の原因

  • 油量が少ない
  • ミッションオイルフィルターが詰まっている

オートマオイル量が少ない場合

オイル漏れによりそもそも必要なミッションオイル量を満たしていない場合が有ります
この場合、不調や走行不能状態は冷間時に起きがちです。
オイル漏れ箇所を修理して、正しい方法でオイル交換をする必要があります。

ミッションオイルフィルターの詰まりの場合

オートマミッションの内部にはオートマフィルターが付いています。ギヤの摩耗でどうしても発生する(構造上、発生させないことは不可能なんです)金属粉やクラッチフェーシングの粉をバルブボディ内部やメカトロ部分に侵入させないために付いています。このフィルターには布製の物と金網製の車種があって布製の物は詰まる可能性が高いです。

知らなかったり、見たことがない整備士さんのほうが多いかもしれませんが、最近のオートマミッションの場合、ミッション外部に交換用のフィルターが付いている場合が多いです。このフィルターはエンジンオイルフィルター同様の布製、または紙製の物で、オートマオイルを交換する場合、必ず替えておくべきだと思います。

このフィルターが詰まっていては、オイルだけ綺麗にしても効果が半減します。

機会が有れば、この外付けフィルター外して見てみると、オートマ内部がどれほど汚れているかわかると思います。よく、ディラの整備士さんが「オートマオイルは交換不要です」と言っていると聞きますが、そんなことはありません。交換してあげてください。

オイルの酷い汚れや、フィルターの詰まりが有ると、やはり最終的にはアクチュエーターの作動不良による変速ショック、最終的にはクラッチの破損を引き起こし、走行不能となります。

湿式クラッチの摩耗

アウディ、ワーゲン系のデュアルクラッチには乾式も有りますが、オートマや他のデユアルクラッチのクラッチの殆どはオイルに浸かっている湿式多板クラッチです。このクラッチ、分解してきた経験上、10数万キロ走行していても、故障していなければほとんど減らないようです。
逆に、不調を起こしているミッションのクラッチは焼けていたり、摩耗していたりします。故障しているミッションは、例え走行距離が少なくてもそうなります。
以前、発進時にジャダーを起こすアウディのクラッチを見たら、フェーシングのブロックが剥がれていたことが有りました。

摩耗したクラッチの判断方法

クラッチの摩耗は、オイルの色や匂いでもある程度分かるのですが、点検ごとにミッションを分解するわけにはいかないのでコンタミチェックという検査方法を使います。

コンタミチェッカーというフィルターに規定量のオートマオイルを通して、汚れ具合を新品と比較して検査する方法です。
故障しているオートマのオイルは、このフィルターが見事に真っ黒になります。
ミッションの診断は、感覚だけに頼らず、的確な検査方法が必要です。

オイルの高温化

オートマミッションにしてもデュアルクラッチミッションにしても制御は電子ソレノイド、作動には油圧が使われています。ミッションオイルの温度は油音センサーと冷却装置(オイルクーラー等)を使ってミッションコンピューターで管理されています。

実は、オートマミッションは限度を越えた高温に弱いのです

たくさんのミッションを分解して直して、試乗してきた経験上のことですが、オートマオイルの温度が限度を超えると、湿式クラッチが破損し始めます。そのため、油音が有る一定の温度(メーカーとか車種とかによらず大体一緒だった)を超えるとクラッチを保護するため走行できなくなるように設定されているようです。
いきなり走行できなくなる事例が多いのはこのためだと思います。

もしくは、内部の電子部品やアクチュエーターが誤作動、またはオイルの粘度の限界点を起こす温度が有るのか。

いずれにせよ、オートマオイルの温度管理はとても重要な要素なのです。

オートマオイルの温度管理が出来なくなる理由

温度管理ソレノイドの故障

オートマ(デュアルクラッチ)ミッションにはオートマオイルクーラーと、そこへオイルを通したり、冷間時に止めたりするためのソレノイドが付いています。

自分は修理前と修理後の試乗時、ある決まった試乗コースを診断機で油温をチェックしながら走るのですが、ワーゲン系とアウディ系で、ある温度に達した時、警告灯の点灯と共に走行出来なくなる事例を経験しています。修理、試乗を繰り返し、油温管理ソレノイドが不調であったことを確認しました。
他にも、診断機で故障履歴を見ると、異常時のデーターでミッションオイルの温度が高温だったと記憶されていることがよくあります。
故障が有ったときは、必ずチェックしています。

ですので、ミッション修理には、該当車種のミッションコンピューターと通信出来る診断機が必須となります。

オイルクーラー自体が壊れているとき

あまり事例はありませんが、オートマのオイルクーラーに電動ファンがついていたり、アウディには電動のサーモソレノイドが付いていたりする車種が有ります。ミッション内部だけに捕らわれずに、その辺のチェックも必要です。

なお、外部のオイルクーラーとミッション内部へつながるラインに外付けのオイルフィルターがよく設置されているので、詰まると当然流量が減って冷却効率が悪くなります。
フィルターはオートマオイル交換と共に定期的に交換するとミッションの負担が少なくできてよいですね。

制御系電子部品の故障

主に入力側のセンサー類と出力側のソレノイド類が有り、どちらもよく壊れます。
日本では何故かこの辺の部品が入手しにくいです。
代替え促進?

回転センサー

タービンセンサーとか呼ばれている部品です、入力軸と出力軸の2種類あることが多いです。
最近修理したミッションではアウディ、ボルボ、スバルで事例が有りました。
センサー内部にオイルが浸入したり、熱で変形したりでよく不調になります。

ソレノイドバルブ

ミッション修理で定番です。
海外では、ソレノイド専用の診断装置が有るようですが、自分は持っていないのと、いつ故障するかは見た目ではわからない部分なので、ミッション修理の場合、海外から取り寄せ可能な車種は予防として替えさせていただいています。ミッションの変速ショックを引き起こしている場合、ソレノイドの場合が非常に多いです。

ミッションコンピューター

コンピューターユニット自体の故障は少ないと思いますが、輸入車の場合何故かミッション内部に取り付けられている場合が多いので、高温であったり、オイルの侵入であったりの原因で壊れているときが有ります。

原則、中古は作動できないように設定されているので、新品に車体番号を入力して使うことになるのですが、新品はとても高額です。まだ走れる輸入車が解体屋さん行きになる多くの原因はこれ(ミッションコンピューター)の故障です。
どうしても直して長く乗りたい愛車の修理の場合は、修理方法もあるので自分にご相談下さい。

オートマ(CVT、デュアルクラッチ)ミッションオイル交換の真実

オートマオイル交換は必要ない?

ここまで読んでいて戴けているお方なら、もはや解っていただけていると思いますが、オイルとフィルター交換は、オートマを長持ちさせるために必要な事です。
自分の経験上、走行が7万キロまでには替えておくとよいと思います。

オートマオイルを交換するとミッションが壊れる?

迷信です。
既に壊れているミッションをオイル交換で修理しようとしたか、正しいオイルと正しい交換方法を行わなかった結果だと思います。
ミッションはオイルを替えたから壊れるという構造にはなっていません。
なるべく純正か、純正相当のオイルで、フィルター交換、オイルパン清掃(オイルパンには大量の金属粉が付着しています、金属粉がバルブボディに侵入すると作動不良を起こします)と共になるべくミッション全体のオイルを交換してください(そのための方法が有ります、残念ながら上抜きではそうはなりません)

診断機で温度管理をしながら、適量のオイルを正しく入れます。
そのため、オートマをメンテナンスする工場には、作業する車両と通信できる診断機が必須です。

オートマオイルを交換すると故障が直る?

とても軽い変速ショックなら直る可能性が有ると思いますが
すでに故障しているソレノイドや摩耗したクラッチ、詰まったフィルターは、理論的に、オイルを交換しても直りません。
ミッションに異常を感じたら、走行不能や事故になる前に、すみやかに、診断機での故障診断とオイル量とコンタミチェックをお勧めします。

オートマは直せないので交換になって100万円かかります?

車種によりますが、よほどの重傷でない限り直せますので、ご相談ください。

車のセカオピ

以上、ミッションに関する経験上の事を書いてきました

通常、皆さんがディラーさんや、大手の自動車屋さんにオートマの事を相談すると「オートマは整備の必要がないですよ」か「ではとりあえずオイル交換だけしておきますか」と言われる事が多いと思われます。
決して「コンタミチェックと診断機かけてオイル管理しましょうか」とは言われないですね。

その割に、車系某サイトでオートマの不調を質問すると「ディラーに行け」って書いてあったりしませんか?
そして、超高額の見積もりが出てきて「では新型車に代替えしましょう」って流れになりますね?
エンジンなら目に見えるところにあって不調を感じやすいですが、ミッションは解りづらいですし、情報もあまり流れていないですね?

オートマ、CVT、デュアルクラッチミッションに対するそのような不安を解決できるサービスが有ります。
それがミッションに対する総合的な診断サービス、車のセカオピ「オートマミッション診断コース」です。

車のセカオピオートマ診断コース

STAGE1(基本)

全てのAT車のために

AUTEL診断機による故障コードの読み込み(ミッション、エンジン、車体、電装すべてのフォルトチェック+データレポートお渡し)

コンタミチェック

オイル量チェック(油温管理のため車両は一日お預かりとなります)

診断料 10000円~16500円+TAX(オイルチェックの難易度により)

オイルパン脱着清掃、外部、内部オイルフィルター交換、診断機接続で温度管理オイル交換(オプション)

STAGE2(日産CVT点検整備)

診断機による故障履歴読み出し

オイルパンを脱着して、金属粉の状態によるCVTベルトの摩耗の有無点検

CVTオイル交換(純正、または経過観察で有効と判断した社外オイルにて)持ち込みオイルは不可です

内部、外部オイルフィルター交換

ミッションコンピュータープログラム番号確認、リプログラミングの可否調査(可能な場合リプログラミング)

STAGE3(ボルボDCT診断)

歴代のボルボの中でV40 V60 V70 その型のデザインが一番好きで長く乗り続けたい方々のために

AUTEL診断機による故障履歴読み出し+レポートお渡し

ミッションコントロールモジュール初期化

コンタミチェック

オイル交換、外付けオイルフィルター交換(オプション)

STAGE4(アウデ湿式7速DSG、ワーゲンゴルフ、ポロ乾式DSG)

AUTEL診断機による故障履歴読み出し(エンジン、ブレーキ、ミッションコントロールを含む全て)

コンタミチェック(湿式7速)

リコール、サービスプログラム適合調査

ミッションプログラムの番号確認とリプログラミング可否調査(横置きFF)

オプション設定
TCMリプログラミング
DSG オイル交換(湿式縦置き7速、外部フィルター同時交換)
バルブボディアキュームレーター部交換、クラッチ交換(FF)、バルブボディオーバーホール、オイル、フィルター交換
クラッチ交換、点検、オーバーホール、センサー交換(クワトロ)
メカトロ修理(ソレノイド、配線キット交換、バルブボディ清掃)

STAGE5

BMW(MINI含む)、ベンツ、のミッション不調でお悩みの方のために
診断、修理のご相談に乗ります。
診断内容の希望、予防整備の希望、不調な症状の修理を承ります
ディラーさんでしか入手できない部品やプログラムの設定が有りますが、ご希望であれば可能な限りご相談に乗らせていただきます。

フィアット500診断コース

フィアット500のデュアロジックの突然走行不能防止のための点検、整備

診断機による故障記録の読み出し

コネクターへのオイル侵入点検

オプション設定

デュアロジック作動油交換
デュアロジックユニット中古交換
クラッチ故障予防整備

イタリヤ車、フランス車、アメ車の故障診断、修理も可能です

アルファロメオ、ルノー、プジョー、シトロエン、オペル、の診断も可能です

コルベット等旧型アメリカ車のオートマ修理、部品が入手可能な限り修理させていただきます。

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