ミッション警告灯が点灯するアウディ

ブログを見たaudiA7ユーザーからの依頼内容は「ミッション警告灯が点灯する」「走行中に止まると危険だと思うので診断して欲しい」というもの。
ミッションの故障コードが点灯した場合「心配なので診断して欲しい」というこのユーザーの判断はとても正解なのです。
何故かというと、アウディに限りませんが、DSGミッションの故障を放っておくと、やがて走行不能になり、超高額修理になるからなのです。何よりも、公道を走行中いきなり走行不能になると、事故の危険があるからですね

アウディのミッションには、乾式クラッチのDSG(デュアルクラッチ、DCTと呼んでいるメーカーも有ります)と湿式クラッチのDSGがあります
残念ながら、どちらも故障します。今回の依頼はフルタイム4WDの縦型湿式7速ミッション
この型のミッションは、以前A4クワトロで修理経験がありますが、最初は警告灯の点灯から始まり、やがてクラッチが焼け、前にも後ろにも動かなくなります。縦置きクワトロのミッション警告灯点灯は、無理して動かしてはいけない症状なのです。すぐにDSGを診断できる修理工場に入庫をお勧めします。

ミッション診断結果


診断機を繋いでミッションの故障コードを表示した結果です
まず、問題なのは、ギヤボックスオイルクーラーの故障
ミッション修理の経験上,共通の原因というか、走行不能になる症状の原因は、
・ミッションオイルの温度が異常に高くなる事(結果としてクラッチ版の破損を招く)
・油圧の低下(フィルターのつまり、油圧漏れ、オイル自体の劣化)
・ソレノイドバルブ、の作動不良
・回転センサーの不良
いずれかだと思います。
オイルクーラーを制御するソレノイドバルブの作動不良は、油温の異常な上昇を引き起こすので、オイルクーラー系統の故障コードが出ている場合、速やかに修理が必要です。

次に、出てほしくなかった故障コード「ギヤセンサーの電気的故障」です。この故障はメカトロではなくて、ミッション内部のセンサーの故障を示しています。この故障コードが出ている場合、ミッションを降ろす必要があります。

ミッションコンピューターの故障コードも出ていますが、回転センサーに異常がある場合、出る場合があるコードなので、まずコンピューター以外の故障を修理します。
エンジンでもそうなのですが、回転センサーの信号は、制御の基本となるデーターなので、これが正しくないと、ミッションコンピューターがまともな計算をできなくなって、コンピューター自体の故障と判断してしまう場合があるからです。

アウディDSG 湿式7速DSG修理(中編)に続く

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